NIHU北東アジア地域研究プロジェクト「北東アジアにおける地域構造の変容:越境から考察する共生への道」
富山大学研究推進機構極東地域研究センター(Center for Far Eastern Studies, CFES)では2016年度より,人間文化研究機構(National Institutes for the Humanities, NIHU) および我が国における北東アジア地域研究をリードする国内の5つの大学・研究機関と共同で,ネットワーク型基幹研究プロジェクト「北東アジアにおける地域構造の変容:越境から考察する共生への道」と題した研究プロジェクトを推進しています.
本プロジェクトはNIHUが推進するネットワーク型基幹研究プロジェクトの1つであり,次の中心研究テーマの下,当センターを含む6つの大学・研究機関が共同で研究に取り組んでいます.
本事業の中心研究テーマは「北東アジアにおける地域構造の変容:越境から考察する共生への道」とする.
冷戦が終了してから 20 余年のあいだに,アメリカの影響力が相対的に低下し,中国,インド,ロシアなどの存在感が増すなか,日本をめぐる周辺諸国の地域構造は,1996 年 4 月の中ロによる戦略的パートナーシップの宣言に象徴的に現れているように,大きく変容しつつある.日本にとって,国境,環境,経済協力,歴史認識など,中国・ロシア・ モンゴル・韓国・北朝鮮との間で生起している諸課題を解決へと導くためには,これらの地域を一体的に捉える必要があり,一つの視野のもとに捉える準拠枠として「北東アジア」という地域概念が必要である.既存の枠組みである「東アジア」「極東」「環日本海」などの地域概念を包括し,「越境」して生起する諸現象を課題群として抽出し,諸機関が分担して解明することによって,政治的・経済的な対立面のみならず,そこに生成する新たな「共生」の地域像を導き出す.
本プロジェクトの基本計画はこちらでご覧いただけます(NIHUウェブサイト内の.pdfファイルが開きます).
富山大学拠点の取り組み:「北東アジアにおける国際分業の進化と資源の持続可能な利用」
本プロジェクトにおいてCFESは経済分野を担当し,「北東アジアにおける国際分業の進化と資源の持続可能な利用」を中心的なテーマとした研究活動に取り組んでいます.
CFESにおける本プロジェクトに関連する論文・書籍等出版物,データベースその他の研究用リソース,ワークショップ・国際会議等開催実績と情報,および研究・調査活動の教育還元の試みは,それぞれ本ウェブサイトでご覧いただけます.
参画研究機関(研究拠点)
本プロジェクトでは,CFESを含む6つの大学・研究機関がそれぞれ次の研究テーマに取り組んでいます.
- 国立民族学博物館拠点
- 担当分野:「自然環境と文化・文明の構造」
- 拠点代表:池谷 和信 教授
- 北海道大学 スラブ・ユーラシア研究センター拠点
- 担当分野:「域内連携体制の構築をめざす国際関係論」
- 拠点代表:岩下 明裕 教授
- 東北大学 東北アジア研究センター
- 担当分野:「環境問題および地域資源に関する文化と政策」
- 拠点代表:高倉 浩樹 教授・センター長
- 島根県立大学 北東アジア地域研究センター
- 担当分野:「思想・歴史的アイデンティティ」
- 拠点代表:李 暁東 教授
- 早稲田大学 総合研究機構 現代中国研究所
- 担当分野:「中国と周辺地域:歴史的関係,華人マイグレーション,対中意識に関する研究」
- 拠点代表:青山 瑠妙 教授・所長
- 富山大学 研究推進機構 極東地域研究センター(当拠点)
- 担当分野:「持続的な経済開発」
- 拠点代表:馬 駿 教授(経済学部兼担)